
兵庫県三木市にて進めております、日本食レストランの植栽工事の様子をお届けします。
骨格から逆算する、美しい樹木の配置
1日目は、お庭のベースとなる高木を植えていく作業です。
中には根鉢が1メートル近くある大木もあり、一度植えてしまうと後からの移動が非常に困難になります。そのため、どの位置にどの樹木を配するかは、テラスの骨格をつくる設計段階からあらかじめ緻密に計算して決定しておきました。
クレーンを使い、1本1本慎重に吊り上げて搬入していきます。 図面上で完璧に計画していても、実際の現場でどう納まるかは毎回心地よい緊張感がありますが、信頼するパートナーの職人さんたちの確かな技術のおかげで、思い描いていた以上に美しい佇まいで納めることができました。
美味しい食事を引き立てる、庭の「機能」と「デザイン」
今回の植栽計画には、ただ美しいだけでなく、お店を訪れるお客様が心地よく過ごすための工夫を凝らしています。
- 心地よい木陰をつくる: 2カ所あるテラス席の上を落葉高木の枝葉がやわらかく覆うように配置し、客席に自然な木陰をつくりました。
- 美しい背景としての目隠し: 周囲の殺風景な景色は常緑樹でさりげなく遮り、食事に集中できるプライベートな空間を演出しています。
- 主木としての存在感: お庭の中心には、大きく手を広げたような佇まいの「大モミジ」を主木として迎え、それを引き立てる落葉高木を十数本バランスよく配置しました。
緑に優しく包まれながら、四季の移ろいを感じていただく。そんな特別な食事の時間を演出する空間が少しずつ形になってきています。
明日は、高木の足元を彩る低木や下草の作業へと移ります。

【現場レポート】兵庫県三木市・日本食レストラン|植物の役割と五感に響く下草の植栽計画(後編)
兵庫県三木市の日本食レストランでの植栽工事、2日目の様子をお届けします。初日に配置した高木の足元を、さらに豊かに彩る低木と下草の植え込み作業を行いました。



現場の空気感に合わせた、繊細な配置の調整
2日目はまず、前日に植栽した中高木の位置と全体のバランスを改めてチェックすることから始まります。
図面だけでは見えてこない、実際の空間の広がりや光の入り方を確かめながら、その場で最適な配置へとブラッシュアップしていきます。例えば、甘く瑞々しい香りが特徴の「カラタネオガタマ」は、テラス席で過ごすお客様にその香りをより身近に楽しんでいただけるよう、当初の計画よりもテラスに近い位置へと変更してもらいました。
全体が美しくしっくりと馴染んだところで、いよいよ低木と下草の植栽へと移ります。



それぞれの植物が持つ「役割」と「意味」
私たちの庭づくりでは、植物をただきれいに並べるのではなく、それぞれが持つ役割や意味に沿って配置を決めていきます。
- 五感で楽しむ: 心地よく香るもの、季節ごとに美しい花を咲かせるもの、思わず手を触れたくなるような柔らかな質感のもの。
- 空間を整える: 建築の直線をより美しく際立たせるもの、テラスが浮いているかのように見せるための足元のあしらい。
これらが重なり合うことで、ただの「背景」ではない、奥行きのある空間が生まれます。

作業当日はあいにくの雨模様でしたが、植物を扱う者にとっては、これ以上ない恵みの雨でもあります。たっぷりと水分を吸収し、の場所を気に入ってくれたなら、お庭はこれからもっと表情豊かに、美しく育ってくれるはずです。
2日間にわたる植栽工事が無事に完了しました。これから四季を通じて、お店を訪れる多くのお客様の目を癒やす存在になってくれることを願っています。

